精神科医ってどういうに働いているんだろう。どれぐらい給料をもらえるんだろう。
そもそも、どういうキャリアになってるんだろうという疑問に対して、自分の経験から回答していきたいと思います。
医者のライフステージ
私は初期研修2年やったあと、院をふらふらして、でも論文がかけず、今は精神科の医師3年目として後期研修をやっています。
いきなりいわれても、初期研修とか後期研修とかが難しいですよね。

医師は概ね上の図のようなステップを踏んで、一人前になります。初期研修で色々な科を回ることをスーパーローテートとよく言いますね。初期研修で色々な科を回って広く浅く医者としての最低限の知識を学びます。
そして、初期研修の後の後期研修では専門の科を決めて一つの科について専門的に学んでいきます。そして後期研修を終わり、試験に受かると専門医になれます。専門医になると晴れて精神科医とか、呼吸器内科医とかそういう風に言えるようになります。いわゆる一人前になれるわけですね。
もちろん、この図の通りに行かずに、研究したり、院に行ったりする人もいますが、どちらかというと珍しいです。自分は今、(色々ありましたが)後期研修医の1年目として働いてます。
初期研修医時代の働き方
病院は大きく分けると大学病院と市中病院に分かれます。自分は大学病院と市中病院を2年間で半々で回りました。まず大学病院と市中病院について話したいと思います。
大学病院
仕事は科によってまちまちですが、大学病院では細かいサマリーを書いたり、カンファレンスが多いイメージでした。残業は平均月60時間ぐらいでしょうか。残業は80時間以上は実質的に書けないので、80時間以上はただ働きですし、そうならないように働きます。
精神科は楽とよく言われるのですが、自分は志望科だったのもあって、逆に結構大変でした。その分、先生にはかわいがってもらったので良かったかなと思います。
給料は手取りで17万とかのときもありました。残業代を入れても20万ぐらい…
時給換算すると925円(20万÷216時間)とかで、松屋のバイトより少ない!と同期と愚痴をこぼしていたのを覚えています。これでも昔よりは改善されていて、最低限の生活ができるようになったようです。
まとめると
- いい点は指導がしっかりしていること、最新の治療に触れられる
- 悪い点は給料は安くて資料作成が多いこと
市中病院
外科系は興味がないこともあって大変で、残業も月100時間ぐらいありました。厳密な計算ではないですが。月から金曜日まで7時~20時位で働いて、土日も片方当番、救急当直2,3回とかですね。患者が急変したら緊急オペに入らないといけないし、つらかったです。暇な科だと、午前中に仕事が終わって、午後は調べものをしたりyoutubeを見たりしてました。給料はほとんど変わらないので、逆に虚無を感じましたね。
市中病院の給料は場所によってまちまちですが、手取りで30万ぐらいは貰えてたんではないでしょうか。ちょっとした贅沢もできました。
まとめると
- 良い点は給料が比較的に高いこと、実践的な経験を多く積めること
- 悪い点は仕事をこなすことが大事で教育という視点が欠けていることが多いこと
後期研修医の働き方
精神科後期一年目ですが、週5勤務で休み二日、勤務時間は8時から5時です。残業は規定がなく、残業代は出ませんが、自分は一日あたり30分ぐらいでしょうか。
当直は月4,5回で、実働2,3時間といったところです。
あれ、楽じゃね?
給与は以前書いたように手取りで80万なので、

あれ、もらいすぎ?
一見するとそうですが、詳しく見ていきます。
同期に話を聞くと、毎日病院に行っているとか、月に1回しか休みがないとか、7時帰りで仕事終わってよかったとかの話を聞くので、勤務時間の面ではだいぶゆとりを持った生活かなと思います。特に最近は初期研修医が後期研修をどこでやるかを決めるという目的で研修するようになったので、病院としては研修医にたくさん来てもらいたいということもあり、初期研修医は少し楽になり、後期研修医が一番忙しくなったといわれています。
勤務時間中は自分はやる気がある一年目なのでいろんな仕事を率先してやっている(押し付けられてる?)ので、息つく暇なく、ごはんも15分で食べてみたいな仕事っぷりですが、暇な日は昼寝もできます。
ただ、ここで誤解してもらいたくないのですが、精神科はメンタルに非常に来る仕事だということです。
病状によるもので難しいのですが、例えば一般論としてですが、患者さんが怒鳴ったりとか、暴れちゃったりとかはよくあることです。また、こだわりが強い患者さんもいて、非合理的な理由で治療介入を拒否したりします。それを優しく受け止めて、より良い方向に変えようとするので、どうしても心が疲れます。仕事終わりにはへとへとになって家でゴロゴロすることも多いです。
文献を見つけることができなかったのですが、精神科医のドロップアウト率は非常に高いといわれています(もともとの特性もあるとはおもいますが)。いわゆる感情労働の側面が大きいのですね。自分も寝てるときに無性にイライラして目が覚めたりするので、気を付けていこうと思います。
あと、休みの日には学会発表だったり、院内でやる勉強会とかに向けての資料作りをやっています。これは自己学習といわれたら確かにそうですが、まぁ残業みたいなものかなーとも。週1回はマックとかにこもって論文読んだり、スライド作ったりしています。
まとめ
医者がお金について語るのはまだまだよくない風潮かなと思います。
また、出る杭は打たれるとのことで、お金の話をするのもよくないというのもわかります。ただ、最近はgoogle等が情報系のSEにたくさん給料を払っているという話もありますし、一方で今後は確実に医療費削減、人口減少による医師余りの時代になるでしょう。
お金、婚活について赤裸々に書くというのがこのブログのコンセプトなので攻めていけたらと思います。
賛否色々あると思いますが、ご意見コメントにてお待ちしています。
コメント
はじめまして。現在医学部4年生のものです。
自分は精神科医に興味があり、このブログで先生の考えてらっしゃる事を知ることができ、とても参考になっています。
書ける範囲でお仕事についての「ここだけの話」のようなものも知れたら嬉しいです。
これからもブログ応援させていただいております。
医学部生さんなんですね!こんにちは。
うーん色々何コメントしようか悩んだんですけど、少し質問が広いなと感じてしまい何を言えばよいのかと悩みました。
そうですね、やっていての苦労ですけど、
精神科は本文でも書いてますがやはり患者さんの辛さを肩代わりしてあげる側面がどうしてもあるので、精神的な疲労は他の科と比べても結構強いと思いますよ。医者も(私を含めてですが)変な人が多いですし。
あとは単科病院の場合は総合病院と比べて同期がいないことが多い&コワーカーにも同世代がいないということで、自分のレベルが回りと比べてわかりづらかったり、相談相手がいなかったりというのは結構辛かったです。
職場の女性も看護師さんは全体的に年齢が高めですし、同じ世代の女医さんと同じ職場になるのは大学病院以外では難しいと思います。
ご返信いただきありがとうございます。
やはり、医師側の精神面も辛いことがあるのですね。
変な人という点では私も当てはまるような気がします(笑)
同期が少ないというのは、確かに苦労があるのだろうなと学生ながら想像できます。専門医を取得する上で、大学病院で勤務されることもあると思いますが、そういったろころで同期や先輩の方とのつながりはできるのでしょうか。
医局のしがらみで人間関係で悩む科もあるでしょうが、逆に周りに相談できないという状況も大変だと思います。精神科はそういった意味で,精神科特有の医局内での辛さやしがらみみたいなものはあるのでしょうか。もちろん医局にもよると思いますが….
記事のネタ等にしていただけると幸いです。
婚活ネタも楽しく読ませていただいてます!